デバンニングと商品保管をアウトソーシング。

デバンニングとは

デバンニング(devanning)とは、コンテナから貨物を取り出す作業のことです。逆に貨物を積み込むことはバンニング(vanning)と呼びます。

コンテナとは、貿易取引で使われる特殊な容器で、大きく分けて20フィート(約6メートル9と40フィート(約12メートル)の2つがあり、荷物の量によって使い分けをします。 輸出入で国際輸送費を下げるために貨物をコンテナに詰め、船に乗せて輸送をします。
コンテナの料金は20フィートいくらと決まっていますので、効率的に貨物を詰め込む必要があります。コンテナ内部に隙間があっても料金は変わりません。

デバンニングの費用について

FCL(コンテナ単位)で輸入している場合で自社ではなく、外注をした場合のデバンニング費用について説明します。
船からコンテナが降ろされた後に、税関から輸入許可を得て倉庫へ移送後、実際にデバンニングを行いますが、その際外注業者に作業をお願いした場合かかる費用のポイントは次の通りです。

  • 荷物の取り出しやすさ
  • 荷物の中身

コンテナの中に段ボールがぎっしり詰まっている状態ですと輸送費の面では理想ですが、実際に作業するとなると作業員がコンテナの中に入り、1つ1つ手作業で貨物を取り出さないといけません。
一方、パレットの上にある程度のまとまりで段ボールが乗っていて、フォークリフトやハンドリフトを使い、そのままコンテナから貨物を取り出せるような状態で貨物が積み込んである場合もあります。
上記2種類のうち作業しやすいのはもちろん後者になります。

以上により、コンテナデバンニングを外注業者にお願いした場合、次の2つの内容により料金が変わります。

  1. 貨物の積載状態(ばら積みorパレット積み等)
  2. 特殊な貨物、または危険な貨物の場合(大型機械・危険物等)

実際のデバンニングの流れ

自社倉庫または外注先の倉庫でデバンニングする場合の流れを説明します。
船からコンテナが降ろされた後、保税地域と呼ばれるところに一時保管されます。
その後、税関に輸入申告をして、輸入許可を得ます。
税関の輸入許可を受けるまでは、基本的には通関業者が総合的に請け負っている場合が多いです。

許可を取った後、ターミナルからコンテナ状態のまま保管先の倉庫へ輸送します。
コンテナが到着後、必要に応じてスロープなどを設置します。空パレットなどが必要になる場合もあります。
手降ろしやフォークリフト、ハンドリフトで荷降ろしを開始します。
この時の標準時間は2時間です。それ以上かかると待機料金が発生する場合があります。
基本的にドライバーはデバン作業を手伝いません。
デバン作業が終了後、空になったコンテナを港へ戻して終了となります。

デバンニング作業の問題

  1. 作業時間がかかる
    コンテナからの出し入れには時間がかかります。ばら積みになった商品を手降ろしする場合はもちろん、パレット積みの場合でも慣れていない作業員の場合時間がかかりすぎる場合があります。
    その場合、既述の通り待機料金が発生する場合もあります。
  2. 作業条件が過酷
    コンテナ内の貨物を移動させる際は、手作業も多く貨物の破損などにも気を付けなければなりません。
    夏場などは、コンテナ内の気温が非常に高くなる場合もあるため、上部から水をかけたり、専用の冷房を導入するなど対策を講じなければなりません。
    また、スロープやホーム付けでの作業でない場合、高所作業にもなりますので、商品の落下や作業員の安全に対してリスクがあります。

デバンニングのアウトソーシング

コンテナデバンニングの作業時間に関しては作業員のスピードに大きく作用されます。
デバンニングに慣れた方とそうでない方は2倍以上のスピードの差が出てきます。
また、コンテナを入れるスペースの問題や、専用の道具等の準備、作業員の確保など課題は様々なものがあります。
そこで最近増えているのが、デバンニングと商品保管をアウトソーシングするというものです。
自社のスペースでは物理的にコンテナを入れられない場合や倉庫内に保管するスペースがない場合、商品保管とセットでデバンニングをアウトソーシングするところが増えています。
特殊作業で商品の仕分けや、梱包、傷の確認など人数をかけないといけない場合も常にデバンニングをしているような業者だとすぐに対応できる場合も多いです。

様々なリスクを考えると、アウトソーシングを進め、自社の本来の業務に取り組むための投資だと考えている企業も増えてきているようです。

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